「私の創作に影響を与えた言葉」


書く上でずっと頭に残っているのが、『犬とハサミは使いよう』の第二巻(だったと思う)の作家であるヒロインとそのライバルポジションのアイドルが言ったセリフだ。

『あなたには読んでもらいたいという本を書かないのか」
『読者が読みたいと思うものを書くのが作家でしょ』

初めはなぜ頭に残っているのかわからなかったが、社会に出て、たくさんの体験を経て、作家にしろなんの職業にしろ、この世の商売とは「需要と供給」の世界で成り立っていることがわかった。客が欲しいものを与えるのが供給側。
供給側は需要者が何が欲しいのか、改善点はなんなのかを徹底して調べて生み出している。それがないとまず、売れないからだ。
だがそれは商売という点だけ見た話である。
残念ながら趣味嗜好とはそれに限らない。
「自分が全力で中身を曝け出した表現は人の心に刺さるのだ」
例えば小説のキャラクター、性癖、会話、舞台設定など多岐にわたるが、自分の腑をぶちまけるようなびっくりするような話はみんな大好きなんだ。

かと言って、みんなが読みたい本と私が書きたいもしくは読みたい本がマッチしないと書ける物も書けない。
私だって、みんなが何読みたいのかわかるわけがない。
だから私は、まず私のステータスの人間二人くらいを刺すつもりで書いてみている。一人は自分と全く同じ人、そしてもう一人が自分の嫌いなものが一つだけ好きな、一つだけ違う人。別になんだって良い、その時の話に必要な人間を想定したら良いんだ。
私はまず自分と、他十人くらいを喜ばせるための作品を作っている。
最初に私を喜ばせた後、残りの十人をどうやって刺すのか、犯罪を計画するように楽しむのだ。

大学の卒制、やだー!!まだ大学生していたい!!

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